性別「モナリザ」の君へ。
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性別「モナリザ」の君へ。

吉村旋

男でも女でもない、三角関係

2019年10月20日
12歳になって初めて性が分かれる世界。とは言え、日常はごくありふれた現代社会に近く、不思議とファンタジーぽさはあまりありません。また、効果的に使われる青が印象的で、ひなせの繊細な表情や感情を印象的なものにしています。しおり、りつともに好感のもてるキャラクターであり、思春期の複雑な感情を美しく(けれど綺麗事すぎないように)描いていて、三角関係の模様がなんだか愛しい。ひなせが性別をもたない件については一種の「病気」として扱っていて、こちらの問題も物語を引き締めています。とても続きが気になる作品です。
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