レムナント―獣人オメガバース―
」のレビュー

レムナント―獣人オメガバース―

羽純ハナ

大切だからこそすれ違う想いに泣きました

2019年10月23日
興味本位で手を出したら見事にハマり、気づいたら全巻買ってました(笑)
ハッピーになってからいっきに読めて幸せでした。コレ途中で読んでたら続きが待てなかったです。

施設育ちの貧しい少年ダートと、本来出会うはずがなかった貴族の獣人ジュドが、偶然が度重なって事故みたいな形で番になってしまう物語。
そんでもって運命の番。きっと全ての出会いが偶然じゃなくて必然だったんだろうなと思わせてくれる運命的な恋で素敵でした。

ジュドはいかにも強面な狼で、口も悪いから怖い印象を受けるのですが、考えてみるとダートとたまたま遭遇した場面ではいつも舌打ちしつつ、行動はめっちゃ優しかったなと思います(笑)
悪態つくけど実は物凄くいい人だというのが伝わってきます。
これだけでも惹かれずにはいられないギャップ萌えがすごいです。

本意ではなく、本能に逆らえずうっかり番になるところから始まる2人の関係性。
愛はないのに関係持っちゃったあげく離れられないみたいな。
オメガバースモノでしかありえない恋の始まり方なので、見事に設定を活かせていて尚且つ面白い切り口のストーリーだと思いました。

そんな2人がどんどん距離を縮めていき、距離感や関係性が変化してゆく様子もたまらなく良かったです。
それでいて、始まり方がお互いに本意ではなかったせいで、互いに惹かれつつも相手は自分のことを好きではないと思い込んでしまい心がすれ違ったまま時は流れ…。

この作品はスピンオフとのことなので、ペンデュラムから読んだ人は最初からこの2人の関係の行先が分かっていたのかもしれませんが、私は前情報一切入れずこの作品から読んだので、すれ違ったまま大人編(?)を迎え、大分成長したダートの姿を見れるとは思いもよらずびっくりしました。

正直少年ダートの可愛さ残る感じが好きだったので、美人さんな大人ダート見た時は「誰?!」って一瞬止まりました(笑)
ジュドにガキガキ言われてたけど、そんなにガキか?と思ってましたが、ここまで成長されちゃうと、なるほどあの時はガキだったのだな!と納得。
出会ったばかりの頃のやり取りも、互いに想いを抱えたまま年月を共にした後の2人も、とにかくどっちも萌えます!
相手の想いに気付いた瞬間や、愛しそうに抱きしめる表情に、まさか獣人オメガバースでこんなに泣いてしまうなんて…とびっくりしました。
本当に良い作品だと思います。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!