このレビューはネタバレを含みます▼
上京している大学生・大和×甘えたな幼馴染み・楓。ずっと大和が好きで気持ちを隠さない楓を曖昧な言葉ではぐらかしつつ甘やかす大和、という構図の幼馴染みBL。大和が初めて彼女を連れてきたことからギリギリ保たれていた関係が崩れていく。ノンケの戸惑いとか幼馴染みとしての感情とかいろいろあると思うけど、やっぱり直球の楓やマウントを取ろうと必死な彼女に比べて、二人の間で聞こえのいいことばかり言ってやり過ごそうとする大和のずるさが嫌だな。男の体に動けなくなるのは仕方ないけど、そこで女に逃げるのが酷い。楓が前に進もうと目を逸らした途端に自分が崩れて、結局楓も彼女もより深く傷付けてしまって、大和の苦悩も分かるけど二人はもっと辛かったと思うし。DV男との決着も自分でつけてまた東京まできた楓の一人勝ち。アクティブな彼女も嫌いじゃなかったです。他に短編もあり、明治か昭和初期頃の微妙な間柄の従兄弟同士。仄暗いBL未満。ずっとこのままだったらちょっと怖いな。