還るのよ





2019年11月1日
華奢な線には迷いのある線があって、そういう作家の多くは不慣れ感を感じさせて、作品の質を下げている気がする。辿々しさがプロフェッショナルっぽくなくしている。
ところが、牧先生も一見頼りなげな線をお引きになるのに、その絵柄にはこの一本、という、牧先生の作風としての確立した一本が選ばれている。だから、線の細さは似ていても、明らかに安心感がある。雑然とした光景描写が見事。
イタリアがイギリスと比べて、色が違って、カラフルであって、雲が垂れ込めず空気が軽いこと、そうそう!という感じ。解放感で傷心を癒すヒロインの、もう恋愛事に懲りている気分もとても伝わる。文字情報ではあったが。
ヒロインが、旅先の1日を満喫する矢先に巻き込まれる事の中心に、タッデオとマッテオ父子。私はマッテオのように子どもを愛する父親は大好きだ。
このストーリーは、ヒロインもプロ意識高く有能。仕事面で互いに相手を認め合う素晴らしい関係、オフはどちらも一個の人間として家事をこなす。短所を描写されないせいか、相性が合うならこれ以上最適な相手は考えられないくらい。息子が明るく真っ直ぐ育ったのは父親の努力。息子タッデオの境遇が父マッテオの口から語られて、胸をギュッと締め付ける。親達の失敗のツケを罪無き子が背負う。その不憫さを、父が語るところが辛い。彼は常識を弁える紳士なのに、所々ピンポイントで巧みに間合いを詰めてくる積極さが「男性」をアピール。ヒロインを揺さぶってくる。何かを抱えてながら口にはしないヒロインの訳有りについて、ヒロイン任せの、その待ちのスタンスを取る彼の優しさが、大人な彼を見せて良い。
HQあるあるの、なんでこんなにハイスペックを捨てた?、との、女に振り回された不可解な苦い過去を持つマッテオ。お話だからいい男はヒロインが持っていく。
狼が重要な存在なのだが、狼の険しさは出しきれなかった。難しい題材なのだろう。ニホンオオカミ絶滅したし。ジャック・ロンドン著「野性の呼び声」を読みたくなった。
57頁「静かだわ/疲れた?」は次の台詞「いいえ/街の灯りが/見えてきたわ」と呼応しない。
68頁「保健会社」は「保険会社」でないと。
こういうのが無くなってくれるといいのに、大変残念だ。
しかしメイン両人の言動は自然だった。海辺、人の沢山集まるところの人々とヒロイン、救急外来の様子などもシンプルで分かり易く、ストレート。
ところが、牧先生も一見頼りなげな線をお引きになるのに、その絵柄にはこの一本、という、牧先生の作風としての確立した一本が選ばれている。だから、線の細さは似ていても、明らかに安心感がある。雑然とした光景描写が見事。
イタリアがイギリスと比べて、色が違って、カラフルであって、雲が垂れ込めず空気が軽いこと、そうそう!という感じ。解放感で傷心を癒すヒロインの、もう恋愛事に懲りている気分もとても伝わる。文字情報ではあったが。
ヒロインが、旅先の1日を満喫する矢先に巻き込まれる事の中心に、タッデオとマッテオ父子。私はマッテオのように子どもを愛する父親は大好きだ。
このストーリーは、ヒロインもプロ意識高く有能。仕事面で互いに相手を認め合う素晴らしい関係、オフはどちらも一個の人間として家事をこなす。短所を描写されないせいか、相性が合うならこれ以上最適な相手は考えられないくらい。息子が明るく真っ直ぐ育ったのは父親の努力。息子タッデオの境遇が父マッテオの口から語られて、胸をギュッと締め付ける。親達の失敗のツケを罪無き子が背負う。その不憫さを、父が語るところが辛い。彼は常識を弁える紳士なのに、所々ピンポイントで巧みに間合いを詰めてくる積極さが「男性」をアピール。ヒロインを揺さぶってくる。何かを抱えてながら口にはしないヒロインの訳有りについて、ヒロイン任せの、その待ちのスタンスを取る彼の優しさが、大人な彼を見せて良い。
HQあるあるの、なんでこんなにハイスペックを捨てた?、との、女に振り回された不可解な苦い過去を持つマッテオ。お話だからいい男はヒロインが持っていく。
狼が重要な存在なのだが、狼の険しさは出しきれなかった。難しい題材なのだろう。ニホンオオカミ絶滅したし。ジャック・ロンドン著「野性の呼び声」を読みたくなった。
57頁「静かだわ/疲れた?」は次の台詞「いいえ/街の灯りが/見えてきたわ」と呼応しない。
68頁「保健会社」は「保険会社」でないと。
こういうのが無くなってくれるといいのに、大変残念だ。
しかしメイン両人の言動は自然だった。海辺、人の沢山集まるところの人々とヒロイン、救急外来の様子などもシンプルで分かり易く、ストレート。

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romance2 さん
(女性/60代~) 総レビュー数:1852件
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mos さん
(女性/-) 総レビュー数:131件