楽しかった





2019年11月7日
全276ページ。イラスト有り。近代日本が舞台で山奥に住む元地球外生命体の魔物が主人公のファンタジーです。受の魔物が一途で健気で、無垢で無償の愛を攻に捧げていて、嫌われ魔物というタイトル通り人間に嫌われてるのが本当に可哀想になります。攻は子供時代に魔物と出会うのですが、ハイスペなスパダリという訳ではなく普通っぽいのが逆に良かったです。作品説明やレビューでうるっと泣けるストーリーなのは察してはいましたが、かなり序盤から切ない展開が連続で想像以上にうるっとしっぱなしでした。終盤はちょっとうまくいきすぎ感はありましたが許容範囲です。童話っぽく、内容は全然違いますがイメージ的には人魚姫みたいな印象を持ちました。受の話し方がたどたどしく幼気なため読み手の好みが分かれそうですが、個人的には地球外生命体の孤独な魔物という設定なので違和感は覚えず、そのいとけない雰囲気がむしろ良かったです。挿絵は気持ち悪いはずの魔物が可愛らしくて意外でしたが全体的に繊細なタッチで美麗でした。ファンタジックな世界観と健気不憫受が好きな方にはお勧めです。

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