オオカミ騎士団長は初心なママを愛でまくりたい【書き下ろし番外編付】
当麻咲来/園見亜季
このレビューはネタバレを含みます▼
「鴨」(ヒーロー激好みヒロイン)が「葱」(曰く有りっぽい息子5才)背負ってやって来た事で、ヒーローが嫁取り大作戦と王城内の不穏分子排除作戦を同時進行して成功させちゃうお話。
ストーリーテリング的には面白かったんですが、主人公である筈のヒロインは、敵からも味方からも監視されるは実力行使されるは散々な上、重要な場面でも活躍の場がほぼ無かった──=意趣を返せる場面がなかった、のが残念です。
ストーリー内にその辺のフォロー回収はありましたが、それでも主人公がヒーローや周りに翻弄された上でハブられてた感は否めません。それで「好き」とか「愛してる」とか言われてもなあ…
隠されてたあれやらこれやらの情報の内1つくらいはヒロインの手の内にあって活用できた方が、彼女への感情移入度が上がった気がして物足りなさが残りました。
あと、主体性の無いヘタレで後妻に依存し唆され敵にまんまと利用されてしまう実の父親ですが、入婿でずっと肩身が狭かったであろう事を考えると、その処遇が気になってハピエンが少し霞んでしまいました。
まあ、自業自得なのかもしれないけど、家族や親戚の中でどういう扱いをされてたのかによっては、一概に悪者扱いするのもどうなのかな、なんて本筋とは関係ない感想を持ってしまいました。
… 少なくとも、 罪のない腹違いの小さな弟はさすがに可哀想だなと。爵位を取り上げられても、何らかのフォローが入ってるといいな…
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