ファンタスマゴリアの夜
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ファンタスマゴリアの夜

砂原糖子/梨とりこ

走馬灯のようにクルクル回る

2019年12月2日
目を引く題名。子供の頃はマネキンと言われていた束井と、雑貨屋に住む幼なじみの永見。お互い周囲から浮きながらも友達として過ごす毎日。密かに永見を気にしながら……。
10年後に再会しますが、永見が気になって仕方がない束井。鬱屈した毎日を送り、街金業者として泥水を啜りながら、思い出すのは永見のことだけ。
一方、永見も子供の頃から束井に思いを寄せ、押し倒してしまい……。永見のその行為で自分の気持ちに気づくものの、自分の非道さに心を荒ませ絶望で全てを諦める束井と諦めない永見。
さらに死んだはずの男と再会&殺されそうになった束井は走馬灯のように永見を思い出す中、記憶の中ではない今の永見に助けられ、ようやく気持ちを伝えることができました。荒む束井も一途な永見も、シリアスで両片思いでじれったいのも良かったです。
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