大負けで5星献上





2019年12月3日
面白いし、さちみ先生がよく使う吹き出し外の本音みたいな手書きの呟きもクスッとさせられて楽しい。数多くのエピソードが、見えぬ犯人の影を匂わせて、ピンと緊張感を終始漂わせる。
二人の気持ちも任務の間にそれぞれ育って、読んでいるこちらが、どうやって二人は気持ちに正直な行動をとるのだろうとか、いつになったらその感情で向き合う日が来るのだろうとか、そんなこんな思ううちにすぐほぼ終盤に話が達してしまう。
マダム・カレの話が辛くて、HQのヒロインを任せられるキャラではないから脇役なのだが、裏ヒロインとして、この話の抱える社会の悲劇を引き受けている。また、戦時下生きるために就いている職を、ヒロインに尊敬していると言わしめる。戦時の敵国同士となる国と国との間に、人々の騙し騙されがあって、諜報活動の非情と裏切りとが悲劇を生み、その反対に見返り抜きの人助けもあって、或いは利用する相手を愛し。彼は英国軍兵士の身で、敵国フランスのマダム・カレを救い、彼女は同国人の夫に裏切られ、その彼女と船長はフランス人ながら英国人を助ける。敵国人同士のサー・ジャイルズとジュスティーヌ、愛し合っての果ての事件。洋服屋のおかみも「戦争なんて、もうやめたい」と。
この話はロマンス以外のことが沢山ある。そしてそこに無数の戦争の哀しさがある。
一方でカップルが生まれる愛の話でもある。
これ、メイン二人は恋路だけ見ればかなり普通。特殊な状況下の逃避行は、道中の危険も並の危険ではなかったはずだが意外に乗り越えてしまうのだ。守る、守ってくれる、の関係は不動としても、もう既に信頼感が醸成された後にドカンと来るので、ヒロイン気持ちが、助けてくれるはず、という確信に変わってしまった段階であまりそこに萌えは無い。
信じたかった人が自分に仇為し、何の義理もない人が自分を窮地から救ってくれる、その関係が描かれながら、犯人が割れるのは思いっきり後ろまで引っ張っられてる。
その拍子抜けと、結局そうなのなら、というのと、ヒロインのミッションの意義が見えなくなっていくのと、依頼を受けた人間としてどうよという彼の単独行動の多さと。
つまり私は、ストーリーに魅力をそこまで感じなかったのだ。設定のちょっとしたひねりが、このロードムービー的展開にはまったと感じ取れなかったというか。
さちみ先生ご担当だからと思うが、それでもドラマチックな作品。
二人の気持ちも任務の間にそれぞれ育って、読んでいるこちらが、どうやって二人は気持ちに正直な行動をとるのだろうとか、いつになったらその感情で向き合う日が来るのだろうとか、そんなこんな思ううちにすぐほぼ終盤に話が達してしまう。
マダム・カレの話が辛くて、HQのヒロインを任せられるキャラではないから脇役なのだが、裏ヒロインとして、この話の抱える社会の悲劇を引き受けている。また、戦時下生きるために就いている職を、ヒロインに尊敬していると言わしめる。戦時の敵国同士となる国と国との間に、人々の騙し騙されがあって、諜報活動の非情と裏切りとが悲劇を生み、その反対に見返り抜きの人助けもあって、或いは利用する相手を愛し。彼は英国軍兵士の身で、敵国フランスのマダム・カレを救い、彼女は同国人の夫に裏切られ、その彼女と船長はフランス人ながら英国人を助ける。敵国人同士のサー・ジャイルズとジュスティーヌ、愛し合っての果ての事件。洋服屋のおかみも「戦争なんて、もうやめたい」と。
この話はロマンス以外のことが沢山ある。そしてそこに無数の戦争の哀しさがある。
一方でカップルが生まれる愛の話でもある。
これ、メイン二人は恋路だけ見ればかなり普通。特殊な状況下の逃避行は、道中の危険も並の危険ではなかったはずだが意外に乗り越えてしまうのだ。守る、守ってくれる、の関係は不動としても、もう既に信頼感が醸成された後にドカンと来るので、ヒロイン気持ちが、助けてくれるはず、という確信に変わってしまった段階であまりそこに萌えは無い。
信じたかった人が自分に仇為し、何の義理もない人が自分を窮地から救ってくれる、その関係が描かれながら、犯人が割れるのは思いっきり後ろまで引っ張っられてる。
その拍子抜けと、結局そうなのなら、というのと、ヒロインのミッションの意義が見えなくなっていくのと、依頼を受けた人間としてどうよという彼の単独行動の多さと。
つまり私は、ストーリーに魅力をそこまで感じなかったのだ。設定のちょっとしたひねりが、このロードムービー的展開にはまったと感じ取れなかったというか。
さちみ先生ご担当だからと思うが、それでもドラマチックな作品。

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帽子屋アリス さん
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みずひろ7 さん
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