プリンスと水の精
」のレビュー

プリンスと水の精

津寺里可子/ロビン・ドナルド

イルカは私の友達というヒロインが好きな人

2019年12月15日
幻想でもないのに幻想の中を進んで行くような恋愛。水を扱うから余計海の神や人魚みたいなものでイメージ先行。私は、女性が待っているだけではない、行動して、自ら思う対象に向かって手を伸ばす方がより傲慢ではないと感じて好きなのだけれども、この話はちょっとそこのところが私の好みではない微妙さで展開する。ヒロインの積極さと、彼の彼女との恋愛スタンスとには、話の中途で攻守逆転感があるのが、膝カックンを覚えるのだ。
前半、彼も抑制された言動のなかにヒロインへの想いを口にする。ヒロインは嵐の晩に気持ちを表に出している。
一旦別れることが、長い別れとなるのか二人は知らず、その時は互いに短いと思いたいわけだ。
ヒロイン、なんだかんだ言い訳も有りながら形彼を追った格好。偶然を偶然でないように頑張っても、あちこちご都合展開して再会。
私は、彼女が彼に会いたいと素朴にそこだけを打ち出してくれたなら、クライマックスのヒロインの積極性と繋がるし整合的になったんではと思っている。しかし、TVクルーそこに登場?、さらに、二人の関係にサポーティブなキーパーソンまで増員で出場!?。ここへ来て、話の作り方にうまく乗せられなくなって、私には白け気分何となく。
まして最後の別れから何年も経っているわけでもないのに、再び調整期間?
しかも、彼の立場やヒロインの決意を前にした彼の気持ちも察せられるのに、落ち着いて(行動自体は衝動的なことをやらかすものの)去るの一手。
ヒロインもわざわざそんなことを言いに?
パーティー出たくないと言い張っているエピソードの方がまだ分かりやすい。
このヒロインが大公妃になるの?、そういう気持ちで一杯。そもそも、水の近くのバンガローに今まで大丈夫だったからといって、長年住んで来ているわけでものないのに嵐の晩に居残って動かない。
羊云々も、相手が誰か、以前に、結局自分を救ってくれる人、を危険にさらす行動。命が大切なのも、目の前の羊を救いたいのも、勿論とても尊い考えだ。それでも、これはお話だから彼が無事なのであって、一歩間違えば、ヒロインの軽はずみな行動が、嵐の晩に男性、それも彼女が好きな人を、死なせてしまったかもしれないのだ。
私には、水の恐怖克服と、クライマックスの鬼気迫る「素潜り」との落差がドラマに見えなかった。
彼女のファンで可愛い所を見せるマークの城勤めの経緯も疑問大。顔アップ多すぎ。
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