裏切りの花束
」のレビュー

裏切りの花束

エマ・ダーシー/藤田和子

今日のこの日を僕は一生忘れない

2019年12月24日
ヒーロー デーヴィッドは昔婚約者と別れていた。母が原因だったと認めたくはないが、彼女にとって容認できない事柄だった。その事は、母を傷つけ それを見た彼をも傷つけていた。愛する母を他人は嫌悪する現実に深く傷ついたデーヴィッドは、同じ轍は踏まない 女性を信頼しない だから結婚はあり得ないと自制した。一見、マザコンなのかと思ったが、母と父の間には ハッキリと分かる愛情を彼は認めているところが、大きな違いと思う。その頃のデーヴィッドは、「愛」を両親を通して学んでいたのだ。以前の婚約者の狼狽えにも 非難は無い。誰しもが驚くことだろう。が、拒絶まで至る様を見てしまっては、デーヴィッドの行動に共感も同情もしてしまう。しかし、ヒロイン ケイトリンには その全てが通用しないくらいに惹かれていた。そんな時に垣間見せた彼女の家族の痴話げんかに デーヴィッドが巻き込まれることで進展を見る。頭の回転の良さが際立ち、彼の魅力が溢れ出す。これには、私もトキメキを隠せない。母親への行動を見ても愛情深い男性なのはわかるので、ここからは とろけるような 甘さに ウットリと読んでいた。マイケルの登場に嫉妬も見られて ケイトリンの強さも発揮されていて言うことなし。ヒーロー母とケイトリンの顔合わせには、子犬という絶大な絆役を置いて 尚且つ両親のノロケも加えて、何とも嬉しいハピエンを描いていた。
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