このレビューはネタバレを含みます▼
読者の言う作品の良し悪しは、作者様の感情表現に共感できるかどうかに大きく影響されると思っています。私はただ、甘々ラブラブな作品が苦手です。(批判ではなく好みの問題です)その点、木原先生が書かれる人物は癖持ちばかりで、元々大好きな作家さんです。ですが、今回の作品に関しては好きを通り越して尊敬致しました。物語の構成が非常に秀逸です。さらにアクションシーンの切迫感や、怖気がくるような闇の深さなど、読後もその世界から抜け出すのに時間がかかるほど引き込まれました。また、この物語の主軸の主人公、芭亞斗とライヴァン。二人の愛情の深さに泣かされました。自分がライヴァンだったら同じことを求めるだろうな…と。芭亞斗の精神的な脆さは母性を刺激するタイプで、とても一人にしておけないですし。そして、もう一つ印象に残っているのが、ジョンがニコラスの靴に口づけするシーンです。清くて尊いです。この世界観と構成、そして数々の伏線とキャラの濃さ。先生、天才です。