このレビューはネタバレを含みます▼
両親に疎まれる薄幸のヒロインの純心というより天然ぶりが、孤高のヒーローの心に愛を灯します。
素直で一途なヒロインがとてもかわいい。
ひどい両親は、最後こてんぱんにされるかな?と思っていましたが、外遊したヒーローとヒロインの暗殺回避のドラマで終わってしまって少し残念、と、思いきや、作者のあとがきでしっかり両親のその後も設定されていました。
子どもが実親に閉じ込められるというお話は、ゴシックロマン小説のV.Cアンドリュース「屋根裏部屋の花たち」を思い起こさせます。最初は慈悲や悔恨の心で「やむを得ない」閉じ込めだったのに、日常の贅沢や華やかな暮らしで子どもが疎ましくなり酷い行為に及んでいきます。
続編をお考えの作者には、ぜひ両親の最期を詳細に描いてほしいですね。脇キャラが酷ければ酷いほど、ヒロインの美しさが輝きます。