化学部のメガネ
」のレビュー

化学部のメガネ

新井煮干し子

ソーダのような青春

2020年1月10日
この作品の魅力は眼鏡の奥の輝きである。

鮎喰と佐古は現実ならパッとしない眼鏡の組み合わせかもしれない。
だがどうだろう、堅物そうな眼鏡たちからどんどんあどけない青年の魅力が溢れ出すのである。bl定番の懊悩も、のどごし爽やかに、夏のソーダの様に弾けて輝いてベタベタする。そこに風情を感じる。
眼鏡の奥の不安げな視線や、瞼の奥に感情を仕舞ったような伏目から、相手を見るという決意もちゃんと2人の共通点から、2人を繋ぐものになる。
男子高生の間を上手く切りとった、暖かく解けるような感情を味わえる、そんな作品。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!