日時計に刻む恋
」のレビュー

日時計に刻む恋

サラ・クレイヴン/CHI-RAN.

恋は時間に過ぎ去り 時間は恋に過ぎ去る

2020年1月13日
誰もが知っている通り、恋は 突然おちるもの。ヒロインリビーにとっても 昔憧れた男性ジェレミーが目の前に現れて 親しく声をかけられた。それだけで、運命を感じて その気 になるのは合点がいく。が、その彼はタラシ。なのに意外にも関係を持たずにキープするその本意は 他の女性との情事のスケープゴート的役割。HQのその展開の中に必要な、ヒロインの純潔のそれを正当化するための おあつらえ向き設定に期待値はダダ下がり。それでも、日時計に刻まれた言葉が、リビーとヒーローデクラン、ジェレミーとの関係に深くかかわっていくのかと思いきや、それも無し、私には1番重要だったのに。おまけに、その言葉を正しく理解しているのかもうやむやのまま。ジェレミーとの関係に絶望した彼女の弱った隙を利用するかのようなデクランの行動も引く。彼の熟考はみられるが、それでも行動は早急すぎるし、リービーがそれを受け入れることも説得力に欠ける気がした。そこを、ジェレミーに突かれてショックで帰京するが、そこはどこ?親しそうな友人モブ登場、説明無し。既婚者に恋をして未来を望むが、騙されていた愚かさに悔やむ彼女と 信じようとする一途さは見て取れるし、そこにデクランが惹かれたのも分かるが、日時計の言葉を絡めて神秘的な要素を期待していた私には 残念なものだった。
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