乙ゲーにトリップした俺♂
」のレビュー

乙ゲーにトリップした俺♂

花乃軍

斬新な設定の中での軽快なやり取り

2020年1月27日
3巻まで読みました。打ち切り残念です。
まだまだ続き描けたと思うし、あとの6名がどんなキャラだったのか巻末でサラーっと描かれているのが、これまた面白そうで…。
ここまで設定を練っていたのに活かせなかったなんて、作者さんの無念も感じ取れます。
そして巻末だけであとの6名の魅力が伝わってくる描かれ方をしてる作者さん。
センスをひしひしと感じました。

最初読んだときは、なんだこのギャグ漫画…とついていけない気がしていたのですが
じっくり読んでみると、乙女ゲームへの男性視点と、どんなシチュエーションならば乙女ゲームらしさが伝わるか細かく練られているシナリオ、そして極めつけは乙女ゲームの攻略対象達が「演じている」という認識を持っているだなんて斬新な発想が混ざり合い、とても新鮮な気持ちで読めて楽しかったです。

私はよく乙女ゲームをしますが、攻略対象の彼らが演じている「ヒロイン」に対する反応はすごく乙女ゲームらしくて良いなと思いました。
実際主人公が女の子だった場合フツーに乙女ゲームとして成立してしまいそうなシナリオです。
ベタなイベントも、だがそれがいい!って感じで(笑)

作者さんも乙女ゲーム好きなのかな、と思うほど各キャラへの個性の付け方とか、イベントの見せ方、キャラ達の発言とかが小ネタ満載で感心しました。
まぁ完全にスマホゲーでしたが。
なかなか面白そうな世界観だったので、今後リアルに乙女ゲームのシナリオ原案とかできそうですよ(笑)

それほど乙女ゲームに詳しい上で、男性目線で切り込んでいくところにびっくりしました。
なんというか、心の底から乙女ゲーム好きな人から見たら、バカにされているようにも感じる、ひやかしのように感じてしまうのがこの作品でヒロインになってしまった乙成くんの立ち位置ですよね。
リアルでいうところの、「男だけど乙女ゲーム実況してみた☆」的な動画上げてる人みたいな感じ。
なので本当に乙女ゲームが好きな人には、あまりオススメできない視点だなと思うところもありました。

ただ、演技だったはずなのに、段々みんな乙成に好意寄せてく感じが可愛かったです。アレBL…?いいのか…?なんて思いつつ(笑)
好感度のシステムについてはもう少し詳しく知りたかったです。いくらハートのバロメータ上がろうが演技は演技かと思ってたら、違うのね。

このまま終わらず続編出してほしいです。
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