クズの愛し方
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クズの愛し方

北沢旭

リアル

ネタバレ
2020年1月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 父親がDVでした。私が小学4年で両親は離婚しましたが、6年生までその父親は戻ってきたり出て行ったりDVの繰り返しでした。母は子供の為に耐えてきた。辛い思いしてきたと…こんなはずではなかったと…ずっと私や兄をずっと責めていました。今となっては母は依存していたのか、それとも精神的に病んでしまっていたのだと思います。
そして、私も結婚しDVされてました。性行為も無理矢理でした。それを愛だと依存し逃げる気力もなく日々過ごしていましたが、一度子供を授かり暴力を受け流産してから、それをきっかけに避妊をしました…愛する人の子供が欲しい。子供がきっかけになり昔のように戻ってくれる期待と愛だなんだと思いながら、どこかで妊娠する事を日々怯えてしまう日々の繰り返しになりました。流産がきっかけでしたが、我が子に自分のような幼少期を送らせたくないと思っていたのだと思います。授かった命を大切に一人育てていくという思いは理解できますが、生まれてきた子供はどのように思うのだろう…と考えてしまいます。この物語ではある程度自由もあったようだし、妊娠を回避できた道もあったのではないだろうかと思います。だけどそれをしなかった…怯える自分もいるけど愛する人の子供を授かりたかったという感じも受け止められ、戦うと決意しながら、夫に依存していたような気もします…私はある意味どちらも加害者のような気がしてしまいます。リアルですが、悲しい結末。
DVを受けた女性が夫と向き合い戦い前を向いて歩いていく。という、ある意味、加害者の夫に立ち向かう被害者の妻とわけて綺麗に終わらせたな…と思いました。どちらも加害者で子供が一番の被害者だと思いました。
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