旅の途中
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旅の途中

スピッツ

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ネタバレ
2020年2月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 4人の出会い、学生時代のあれこれ、時代背景、音楽に対する直向きな思い、演奏技術の向上の努力、慎重に考慮した契約のこと、ヒット作品を連発して思いもよらない出来事。デビューから20年間の軌跡です。(レコーディングの悩みはいろいろあるものの、作詞作曲の産みの苦しみの記述が無いのは、泉のように涌き出るのか、日光や雨のように降り注いでくるのか、取るに足らない悩みなのか…)仲間、スタッフやプロデューサーとの出会い、刺激を受けたバンドやアーティスト、ライブ活動、手応え、気付き、苦しさも葛藤もありありと感じさせられます。
既に決定して覆せないと伝達されてベスト版を出すことになった件は混乱や怒りややりきれなさが相当あったのではないかと思われます。

この本で語られた活動期間から12年たった今、新曲はどこか懐かしいメロディーで心に響く詞、過去の作品はどれも古さを感じないし何度でも聞きたくなります。4人の見た目の若々しさと、変わらない伸びやかで優しい歌声と演奏の心地よさは、充実した穏やかで緩やかに年を重ねた感じです。
『SONGS』で、マサムネさんが「音楽をやりたいのではなくバンドがやりたいんだ」と語っていたのが印象的でした。今だに演奏前のトークも苦手だそうで大御所なのにどこか初々しさも感じられます。
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