溶ける【SS付き電子限定版】
」のレビュー

溶ける【SS付き電子限定版】

加東セツコ

電子版にて再購入

ネタバレ
2020年2月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 加東さんの著作の中で一番読み返している作品です。紙で持っているので電子版は買うのを我慢していましたが、先日お安くなっているときに思わず購入。やっぱり良かったです。初めて読んだときは正直全然感情が入ってこなくて特別な印象は残らなかったのですが、絵が好きで何度か読み返しているうちに、ぐいぐい入ってきました。特に序盤はわざとかな?っていうくらい感情の読みにくい表情なのですが、このときこういう気持ちだったのでは…と想像すると、無言のセリフや硬い表情の一コマにすごい感情が乗ってくるんです。特に五十嵐先生はほんと何考えてるかわからない感が見事に表現されていて、でも実は子供のように素直な気持ちを持っている人なので、何度も想像しながら読むことで今では彼のモノローグさえも浮かんできそうな勢いです(笑)彼なりのアプローチは冷静になってみると確かにパワハラのセクハラなのかもしれませんが、そこはファンタジーでフィクションの世界ですし、無理やり上等で吉野さんが絆される展開や、五十嵐先生に惹かれていく様子も描かれています。それがまた説明や言葉は少ないんですけど、絵と雰囲気がすごく合ってて、じんわり浸透してくる感じがいいんです!!吉野さんのキャラもすごく好きです。真面目で優秀で従順で、でも芯があって頑固で真っ直ぐで…あんなにかわいい人に尽くされたら、五十嵐先生や七海先生でなくても好きになっちゃいますよね。ちょっとお節介でエリート臭漂う七海先生も幸せになってほしいです(笑)描き下ろしやおまけも2人のその後の感じが見てとれてすごく良かったです。最近は不思議な雰囲気のお話を描かれているので、またリーマンなど働くお兄さんのお話を長編で読みたいです!
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!