泣いたカラスがもう笑う
」のレビュー

泣いたカラスがもう笑う

糸井のぞ

古い洋館に風を吹き込んだ素敵な話◎

ネタバレ
2020年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作(後半)と同録の二作品。同録の元貴族の話がとても好き。面白かった。

巻頭作品は『君の喜ぶ顔が見たい』
朽ちた洋館で祖母と使用人と暮らす会社員瑛正。優雅さの無い家に籠る祖母は、元貴族の誇りだけの時代に取り残された人。

その祖母に縛られる瑛正と作曲家ヒタキの話。
偶然出会い久々の友に生き生きとしていたのに、ヒタキを拒絶し傷付ける瑛正。自由人ヒタキはその感性で瑛正のプレッシャーや不自由さを分かったのかな。分け隔てのないヒタキは祖母の懐にも入り込み、孤独な瑛正を甘えさせ夢を持たせた素敵な人だった。

未だ庶民を野良犬と呼び嫌悪していた祖母が、ヒタキと凛々しくお茶をする姿はとても印象的。家を捨てられない優しい瑛正を包み込むヒタキとなら明るい未来に期待できそう!!

◇表題作は元同級生腐れ縁のタイトル通り楽しい話。
ノンケ大好きで惚れやすく失恋ばかりの烏丸と慰め役南の二人。無自覚なおバカ達の灯台下暗し的な愉快な話の続編が今から楽しみ♪
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