大切な人が死ぬとき ~私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた~
水谷緑
このレビューはネタバレを含みます▼
私はかなり早くに両親が癌で亡くなり、また、とても大好きで大切だった友人2人は、この10年間でそれぞれ事故と癌で亡くなりました。本書は家族の看取りをされた筆者本人の経験談、それに緩和ケア病棟勤務の看護師さんの経験談になっております。「その時」が来るまで、自分や大切な人が亡くなるなんて、と、普段から意識して思っている方は少ないと思います。でも、私自身がそうだったように「その時」というのは、いつか、不意に訪れ、渦中にあっては、えぇ? どうすれば良いの? どんな選択が良いの? と、当事者も周りもあたふたと思い悩み、苦しみ、そして残された者には死別の悲しみと、後悔が、いつまでもつきまとうのです。私は立ち直るまで、最長で10年もかかりました。でも、その時、この作品を読んでいたら、そこまで引きずらなかったかと思うのです。かつて大切な人を亡くした方、今、まさに、そうなりそうな方、そして当事者の方や、まだ「その時」にはご縁が無いと思っていらっしゃる方、皆さんにお勧めしたい作品です。
いいね