このレビューはネタバレを含みます▼
1巻。愛していた王の遺児ラベルと暮らす魔法使いリー様のほのぼのとした日常の中に、王国を滅亡させるしかなかった苦悩が透けて見えるとても興味深く面白い話の幕開け。
まだ何も知らないラベルを育てながら、自身の使役を探すリー様。父子二代に渡る教育係でラベルと亡王を重ねては感傷的になるリー様だけど、そこを放っておかないのが素直で天真爛漫なラベルの存在!!その天然やんちゃなラベルも、かつて王侯貴族しか着用を許されなかったドラドラ山羊のケープを纏えば凛々しくなる姿が素敵♪そのケープに宿る記憶を目覚めればケロリと忘れてしまう可愛いラベル。そのラベルの使役も可愛くて癒しの存在。
知らずに毎年修行に訪れる湖水地方の旅が、亡父と亡国の鎮魂だとラベルが知る日は来るのかな。ドス黒い過去を持ちながら、魔法の様には行かない育児の困難さに悶々とするリー様がとても微笑ましい1巻。
短編で深い話を見せてくる構成力が唸る程素晴らしいお話は、2巻3巻外伝と続き、涙なしでは読めない壮大な世界観に心を打たれます!!