このレビューはネタバレを含みます▼
前から気になってた漫画家さんが読み放題に来ていたので読んでみた。
あらすじでヒロインが通信社に勤めているような書き方だったので、何かスクープ狙いの記者ポジかと思って見始めたら様子がおかしい。ヒロインの家はアンブリア国の重臣を務めていた家系で、現政権を打倒するために、国を追われて行方不明になっていた王族を探していたことが話の中盤過ぎぐらいに説明され、基本は忠誠心によるものだったとわかる。
一方のヒーローは王族だった幼少時の記憶を無くしており、一般人として成長して軍役につき、フィリピンで出会った女性と恋愛結婚。ヒーロー一人がタイに駐留中に娘は生まれ、帰ってきたときに、妻を目の前で反乱軍に射殺されてしまったという過去を持つ。
という双方の背景が後半にならないと公開されないので、ヒロインの目的は見えないし、ヒーローのこともよくわからないと、主役のどちらにも共感も同情も何も持ちにくいまま進むため今一つ話に入り込めず。
更には度々「最愛の人」「娘を見てると思い出してつらい」と亡き妻を忘れられないようなことを口にしながら、会って1週間たらずのヒロインにあっさり落ちてしまうヒーローにも魅力を見出せず。
記憶の取り戻し方も母国の子守唄ひとつであっさりだし、なんというか全体的に大した波乱も葛藤もなくさらさら流れ、特に盛り上がりのないままに終わってしまった。最後のプロポーズシーンなんて普通なら良かったねと感動するところだと思うのだが、全く響かなかった。
男女の絵は綺麗だが、皆さんの言うように娘の外見が2歳児というには違和感しかなく、子供が出る話は向いていなさそうな漫画家さんだった。