駆け引きは薔薇色
」のレビュー

駆け引きは薔薇色

もりひのと/ジャッキー・ブラウン

いい感じのやりとりもあったが…

ネタバレ
2020年3月8日
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凍った湖に車で落ちた無謀な観光客を助けようとして亡くなった夫。残されたシングルマザーのヒロインの境遇には同情するが、旅先での行動はたくましいというより図々しく。親に勧められた旅行とはいえ、他国に行くのに宿の有無も調べず現地入りなど無計画で無鉄砲な行動にちょっと引き。
その辺はアメリカ人らしい大らかさと流すにしても、気になったのはヒーローとのやり取りの中で、潮に流されたら危険だとヒーローが注意した直後に、ヒーローを騙すためにわざと海に向かったとヒロインが見せかけるシーン。夫の死亡原因を考えたら、ヒーローを夫と同じ状況に追いかねない行動をしたヒロインの行動が理解できなかった。コミカルに描いてはいたが、本気でこのヒロイン海に流して欲しいと思ってしまった。
ヒーローの方も初期はヒロインを疑いまくりで、勝手に家の中まで押しかけて脅したり失礼極まりないのに、その後ベッドに誘うまでの気持ちの変化のはやいこと。妻との離婚で女性不信になったとわかったあとで見るとたいして懲りてない印象であまり魅力を感じなかった。
後半、自分のことをヒーローは信頼してくれなかったとヒロインが怒るところも自分のことは棚上げで勝手な印象だし、いい感じのやりとりもあった話だけに、そのあたりの書き方がもう少し違っていたらよかったのだが。
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