男装ではなく男体化





2020年3月14日
男装好きなのでヨッシャと期待して読んだら、男装じゃなくて魔法による男体化だった。男装と男体化は似て非なるものです……。どっちも好きなんでいいですけどね、1巻時点では男装だろうが男体化だろうが本筋に活かされてないんで。問題はそこよりも内容かな……。もう根本的な問題なんだけど、主人公がイマイチ「凄い魔術師」に見えないんですよね。というか、「従軍していた魔術師の一人」程度かと思ってた。冒頭20Pまでの描写が雑すぎ。だから、命を救ってもらった金持ちの男が一生に関わる呪いのような従僕契約を結ぶほどの説得力が見えない。それがこの漫画の致命傷。噛み砕いていえば、彼は騎士階級の貴族だそうだが、だったら彼の下には沢山の使用人、もしかしたら領民さえもいるんだよね? そんな立場の人があんなに簡単に「得体の知れない滅茶苦茶強い魔術師」なんかと主従契約結んじゃうのはあまりに責任感と危機感がないのでは? 冒頭で売り言葉に買い言葉みたいなやりとりがあったけど、動機があまりに弱すぎる。だって数ページ前に「特に志もなく義務的に戦いに身を投じました」って言われてるから、彼女の人間性自体が読者に「モラトリアム人間」と明示されているわけですよ。内面性も外面性も危うすぎ。本当だったらそういう理屈をねじ伏せるような説得力や魅力が主人公になければいけない。でもこの主人公にはそれがないんだよ全然。それともこれ何かの続きなんでしょうか? だから冒頭があんななの?

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