砂漠に消えた妻
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砂漠に消えた妻

リン・レイ・ハリス/有沢遼

愛は全てを越えていけるか

ネタバレ
2020年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインイザベラの苦悩の末の潔い英断には胸を鷲掴みされるほどの痛みがあったが、その直後のヒーローアダンの書類を破く行為という 見たかった展開にドキドキとワクワクそしてトキメキを楽しめた。産後鬱という社会問題を取り上げた物語は、砂漠という過酷な舞台が用意されていて良く練り上げられたものと思えた。鬱にあっては、人間としての思考も感情も全てをもぎ取られてただ生だけがそこのあって、なにも無いのだから誰を責めても解決はない。彼女の場合は本来の性格が従順ではなかったからと想像はしても起因として絶対ではない。それをハワイの地が、唄が癒したことは間違いないのだろう。たとえ父親がどんな策略を描いていたとしても。かわいいラフィクの下に戻れて良かったと目頭が熱くなった。私は、その後のストーリーが書かれているのが好きなのだが、この物語にもそれがあって、ほのぼのとしたそしてトキメキもあるその後の部分は気に入っている。
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