7SEEDS
」のレビュー

7SEEDS

田村由美

安居がかわいそうで読後感悪し。

ネタバレ
2020年3月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 外伝まで一気に読みました。

個人的には夏Aの幼少期〜最終テストのエピソードに胸を痛めすぎて、安居と涼贔屓に物語を読むことになりました。
どうしても納得がいかなかったのが、安居だけが悪者にされてしまうことです。
夏Aの他のメンバーは、すぐに役割や救いを見つけたりしますが(それはそれで良いことなのですが)、誰か安居を庇ったり、花に対して割り切れない感情を抱いたり、要さんに食ってかかるほど恨みを抱いたりしないものかなぁ。と思いました。もちろん皆が皆そんなことをしたら大変なことになるのですが、安居って、読者から見たらかなり悲惨な目に遭ってきた人物ですよね。そしてもともと面倒見がよく、努力家で責任感が強く、人望がありますよね。少なくとも私は過去のエピソードで、そんな見せ方だと感じました。だからこそ、なぜ安居にだけ罪人ポジションを担わせたのか。なぜ涼以外に寄り添う人がいなかったのか…それが納得いかず、他のメンバーに好きな人もいましたが以降温かい目で見ることができずに、残念でした。
それから、法整備ができていないので罪に対する懲罰の有無は「許せないと思う者がいるか否か」という基準になるのかもしれませんが、他メンバーもたいがい悪事をはたらいているのに、無かったことになっているのも不快かつ不可解でした。夏Aは卯浪を殺害し、十六夜殺害を黙認し、集団で刈田に銃口を向け、あゆは桃太を拉致・人体実験し、秋ヲや蘭は秋メンバーに暴力加えていました。花の「安居が怖い」という気持ちで、安居だけが罪人になっている。
特に小瑠璃は安居とは幼少期から距離が近かっただけに、もう少し精神状態を崩した安居に寄り添ってもらいたかったです。花は恵まれ過ぎてるのに出しゃばり、生意気、自己中、悲劇のヒロイン、謙虚さのかけらもない。嫌いなタイプです。
安居と涼が好きだっただけにモヤモヤが残った上、登場人物が多すぎて一人一人に対するエピソードや心理状態などの描写が中途半端で、作画も雑で、全体的に中途半端で雑な作品だなという感想です。
いいねしたユーザ60人
レビューをシェアしよう!