放蕩貴族
」のレビュー

放蕩貴族

キャサリン・アーチャー/綾部瑞穂

ヒーローがこじらせ

ネタバレ
2020年3月26日
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ヒストリカルが好きなので、読んでみたが、ヒーローが好みじゃなかった。傲慢という感じではないが、父親とまともに向き合わず、決めつけてうじうじ。放蕩貴族だったのも、そのあたりも影響ありそう。
ヒロインと出会ったときは、結婚相手を探していたので、あからさまな放蕩要素はないが、初対面でナチュラルに口説いたり、プロポーズした日に手を出すあたりに片鱗は見える。
しかし、ヒロインに初めて手を出して以降、なかなか手を出さなかったのが、自分の子供ができるのが怖かったから、というのは。たいした避妊法もない時代に、周囲に放蕩貴族と呼ばれるレベルで遊んできて今更それか!と呆れた。これ以外にもズレた態度が多くて、総合的には魅力の薄いヒーローだった。
ヒロインは最初に呆れていた割にヒーローに落ちるのが早かった。家族を亡くして独り身が不安だったせいもあるのだろうか。ヒーローにあっさり落ちたところとヒーロー従妹との仲を誤解していた以外は、聡明で優しいヒロインなのはよかった。ヒロインがいないと、ヒーローも父親も一生仲をこじらせて終わったんだろうな。
ヒーロー従妹は、ヒーローとの結婚がダメになったのには同情するが、ヒロインを階段から落としたり、銃で撃とうとしたり、だいぶヤバいことをしていて、同情を帳消しにしてもまだ足りない。しかし、銃の方はどうせなら自分を振って金で解決しようとしたヒーローに向ければいいのに。ああいう時に何故相手の女性に怒りの矛先を向けるのか。謎だ。
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