プライドと愛と
」のレビュー

プライドと愛と

キャロル・ディヴァイン/荻丸雅子

都合よく話をまとめた感じ

2020年4月4日
ヒーローの置かれた環境を想像するしかないが同情はするけれど、同情するように作られた作品であることがアカラサマすぎて楽しめなかった。ヒロイン側も妊娠に気付いてから連絡が取れなかったとしているが、兄嫁の弟なのだから、そちらからのアプローチをするべきだった。子供の養育についてを軽んじているように読める。1人で育てると決めておきながら、幼馴染に頼ってその人をも幸せにせずに尽くせずに終わったという彼女の言葉にも苛立つ。葬儀のなか、短い夫婦としての彼に感謝の言葉を述べるべきところだろうにと思うのだ。マスコミの執拗さに辟易し自由に振舞うことを制限されるストレスを考えると仕方ないのかと思うが、世間体を繕う ことを重点に置いてでしか物事を考えていないヒーローとヒロインに最後まで同調できず、それで好きだったからという告白も都合よすぎに思えた。
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