このレビューはネタバレを含みます▼
普通の不倫モノは大抵旦那が酷い。そうすれば感情移入しやすく、読者を味方につけやすい。だけど、ハイハイそれなら可哀想ですね、不倫も仕方ないね、、と予定調和の物語すぎて、自己正当化にもうんざりし、作品としてはつまらないなぁと私は思ってしまう。この作品は、その定番設定を覆す、素敵な旦那を持ちながら不倫に溺れる設定!どう考えても主人公が悪い、チャレンジングなプロット設定は、より難しいゆえに好感がもてた。ただ主人公は星一つ。葛藤してるようで常にお花畑。悩むシーンをいれるなら、女である前に人である、という葛藤も加えて欲しかった。人であれば、そんな運命な人に出会ったとしても、一線踏み越えることに躊躇する。鈍感な彼女だから、絶対バレなければというのが免罪符になるようだけど、私にはそれも賛同できない。真実を知れば、旦那だってそれでも一緒に居たいのか自ら選択する機会を得られるのに、騙しとおすことで真実を知る権利もファクトベースで自分の人生決める権利も奪っている。さらに、バラさなければ対面で謝罪しなくてもいいわけです。。
初期のレビューには高い評価も多く、不倫への世相も少しこの10年で変わったかと興味深く思いました。