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デザイナー

一条ゆかり

今も心に残る名作

ネタバレ
2020年4月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小学生の頃読んでました。
ヒロインはクールな美貌のトップモデルで、当時の最先端のファッションに身を包み、カッコいい言動。まだまだ男性上位だった時代に、才能あふれ、自分の力と実力だけで生きるヒロインは子供の目から見ても憧れでした。
登場しょっぱなから、そのヒロインをやり込める謎めいた美少年が大企業の社長で、ヨーロッパの貴族のような館に住んでて・・・と、ゴージャスな設定のもと、2人の駆け引きにも似た関係が進んでいきます。
謎かけにも似た洒落た会話が、当時の自分には「大人」に思えたものです。

一条先生の漫画には他の作品にも近親愛めいたものが出てきます。
「おとうと」とか「ティータイム」とかも、そうです(少女漫画なので肉体的なものはありません)たぶん先生がこだわっていたテーマだったのでしょう。
ラストは、読んだ当時、子供だった自分は呆然自失。
でも、美しいラストだと思い、何度も何度も読み返しては泣いて、そんな命がけの恋に出会いたいと(ませガキでした)思いました。

あと、柾の行動の意味が、当時は子供だったので、主人を思うあまりの行動なのかなあ?と、腑に落ちませんでしたが、大人になって読むと・・・だったのかと(^^;ゞ

色々と少女漫画で描くには冒険だったのではと思う大人な話ですが、子供時代にこの話に出会えた自分は幸せだったと思いました。
(余談ですが、当時、月刊誌は「りぼん」と「なかよし」が2大人気少女雑誌で、「りぼん」のほうが、少しお姉さん向けと言われてました)
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