このレビューはネタバレを含みます▼
1巻では ヒーローの恋心が終盤までヒロインに全く届かず、そこが笑いを誘うと共に、哀愁が漂うという あまり他では見ない仕上がりの作品です。何故そのような事態になっているのかというと、ヒロインが伯爵家という身分でありながら、貧しすぎるということ。それ故に自己評価がとても低い。かわってヒーローはというと、王家の覚えも目出度い公爵家の嫡男で、非の打ち所等無い美男子。身分は雲泥の差。それに加え、幼少期のヒロインの生き方さえ変えた、神の如き存在。まかり間違えても自分に好意などあるはずがないと思っています。もういっそ清々しいまでにヒーローの恋情をスルーします。なんならヒーローは男色家だと勘違いしてます。憐れヒーロー…。
続いて2巻は若干のズレ(主にヒロイン)はあるものの、ヒーローの思いが届き、晴れて婚約します。この後もまぁヒロインの斜め上の発想や行動が、ジャイアントスイング並にヒーローを振り回します。それに加えて この作品の魅力は、他家に出稼ぎに出たり、自領の雑務や私兵団の手伝い等で身に付けたヒロインのスペックです。どちらがヒーローか分からないくらい大活躍します。1・2巻合わせて1100円とは思えないぐらい楽しめました。続きが出たら、是非購入したいです。