つむぎくんのさきっぽ【コミックシーモア限定特典付き】
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つむぎくんのさきっぽ【コミックシーモア限定特典付き】

暮田マキネ

タイトルのかわいさより重い内容

ネタバレ
2020年5月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ どうして暮田ワールドの人物像は、いつもこんなに歪んでるのだろう?でもクセになる愛を描く作品です。せっかくのきれいな絵、可愛い絵が、重く暗くのしかかるテーマに引きずられ、キャラクターの目が死んでいる。10代にして、性の解放が幼なじみと秘密の関係だったり、父親に与えられた女と寝るって背筋が寒い。歪んだ感情のまま、素直に気持ちを表せないのは、微妙な思春期だからあるかもしれないけど、理解するのはしんどい。ただ単純に相手が好きっていう作品ないですよね、私の知る限り…
まだ救われるのは、大抵主人公の周りの人が優しくて、いい人である傾向でそれが唯一の救いかな。莉麻と莉生が無条件に紬に優しく、守ってくれるからまだいい。紬の健気さがそうさせるのだろうか。ほんとに可愛いですもん。
ただまっすぐに紬を愛したかった煌成の、いびつな愛情が哀しいです。紬が屋敷を出て行った後の抜け殻のような煌成。父親に縛られず、思うがままに生きればいいのに、とモヤモヤして苦しい。紬が生き甲斐で、紬が全て。
素直になりさえすれば良かったのに…でも幸せな笑顔で良かったですね。暮田ワールドの一冊を読み上げるのに、気持ちの持って行き方で一苦労します。疲れましたが、最後の幸せな二人に和みました。ぜひとも幸せになって欲しいです。
短い番外編が単話版にあります。キュンキュンですのでぜひそちらでニマニマして下さいませ!
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