31番目のお妃様
」のレビュー

31番目のお妃様

桃巴/山下ナナオ

1~4巻、一気読みの感想「ちょっと残念」

ネタバレ
2020年5月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 入りは漫画版からでしたが、ノベルも読みやすくて面白く、2日で4巻読み終えました。個人的には漫画の絵の方が好みです。1巻で、マクロンが侍女と思っていたフェリアが実は31番目のお妃だと自ら気づく場面、大好きです!ただ、勘違いしているマクロンを主人公が笑うシーンはいらなかった。自分が侍女として騙してるのに何様かと。嘲笑っているみたいで直後の切なさが薄れ白けました。
ビンズはじめ、側近達は(*^ー゚)b グッジョブ!!です。

全体的には、爽快なサクセスストーリーなので安心して読めますが、個人的に気になった事が2つ。
1つ目は、主人公の精神力とユーモアが強すぎるので、主人公に敵意を持つ女性達を若干見下しているような描写が何度もあり、自分の言うことが全て正しいと言う傲慢さに見えて「ちょっと偉そうだな」と残念に思いました。ほんの少しでも謙虚さや相手への敬意と思いやりが垣間見えると違ったかと思います。側近達に敬われる事が当たり前みたいな態度も王妃と言えども気になります。妃教育を受ける中で精神的な成長を遂げるのかと思いましたが、既に王妃としてまさかの完璧だったのも残念でした。

2つ目は、主人公にもう少し女性らしい弱味と描写が欲しかったです。
主人公が元気でパワフルなのは好感ですが、雷雨を怖がって錯乱した時のように、僅かな儚さや危うさがあるといいなと感じました。たまにはマクロンに護らせてあげて欲しい(笑)
ウェディングドレスデザイン画事件の時の悲しみも、誰にも弱音を吐かず、持ち前の強固な精神力で鞭を振って1人で乗り切ってしまったのが残念でした。マクロンにだけでも弱音や本音を漏らしたり、表向きは気丈に振る舞っていても実は陰で人知れず涙を流したところをマクロンが密かに目撃したりとか、そういう描写があれば、魔物と戦えるくらい強いけど、いじらしく可愛い乙女な面もある、魅惑的な主人公に物語の世界へと引き込まれたと思います。

一国の王妃に精神的強さは必要でしょうが、そんな完璧な人間はいません。マクロンや側近達に時折見せる多少の隙があると人間として現実的な魅力があり、もっと感情移入できたなぁと感じました。漫画版では改善されるといいな…

31番目という設定のせいか、あまり甘いシーンが無かったのも残念で、続編がありましたら、おそらく正式に夫婦となるでしょうから、もっとイチャラブさせてあげて欲しいです。
いいねしたユーザ8人
レビューをシェアしよう!