すぐ泣く女に機関銃
」のレビュー

すぐ泣く女に機関銃

和田依子

最後まで読むと

ネタバレ
2020年5月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 無料開放されてる部分だけ読むと、主人公がとにかく痛々しいのですが、最後まで読むと印象がかなり変わります。

他人の短所だけが目について良いところが目に入らない、
周囲の人が皆バカにみえる、
自分の悪いところを認められない。

前半の主人公は、人間のドロドロした嫌な面を分かりやすく体現していて、会社のなかで浮いています。
しかも本人に自覚はない。

子供の頃こういう子がクラスにいたなー、とか、こういう気持ちは身に覚えがあるな、と、読んでるこちらもジワッと嫌な気持ちになります。

それゆえに最後はホッとしたし、読んでいる自分も、主人公と重なる自分の中のダメな部分を自覚し、戒める気持ちがわいてきて、読んだだけなのに自分も少し成長したような気持ちになれるお話でした。
人の内面は社会人になっても成長し続けるのだから、少しずつ変わってゆけば良いのだ、と。
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