先生、もうダメですっ【電子限定おまけ付き】
」のレビュー

先生、もうダメですっ【電子限定おまけ付き】

嘉島ちあき

思ってた以上に深かった

ネタバレ
2020年5月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家と担当編集者のカプはよくある話で、マンネリ化を越えて、どう面白く味付けするかで出来映えに差が出るなと思います。
BL作家秋庭を担当する獅子王。ひょんな事から、被写体としてモデルを手伝うはめになります。秋庭は割りきっているかのような態度で、獅子王にエスカレートする依頼をしていき…
もう天然なのか、小悪魔なのか誘うような目で獅子王を見る秋庭。いやいや、誘ってるようにしか見えない。でも、あれ?何だか違うぞ?
一方、獅子王は秋庭の依頼にどんどんのめり込み、まんまとハマってしまいます(笑)そりゃ、あんな目で見られたら…
獅子王が恋心に気づいても、秋庭の気持ちが読めない。そこには秋庭の抱えるトラウマが…
初めは、単なる恋愛不感症で恋愛感情が持てずに、淡々としているかと思っていました。恋愛に対して冷めた目で見てるのか、人に対して執着がないのかなぁって感じでした。
親に捨てられた子供の心は深く傷つき、成長するにつれ大きなトラウマとなりますね。だから捨てられないように無意識に防御して、人に対して執着しない。孤独の恐怖を知るからこそ、捨てられたくない感情が人の懐に入り込まないし、入り込ませないって感じかなぁ。寂しい思いをしてきたけれど、獅子王と出会って心を開き、愛し愛されてようやく甘えることも出来たかなと思います。幸せになって欲しい。
お兄ちゃん編の話とは、全くタイプの違う奥深いストーリーでした。ほだされていく秋庭が可愛いです。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!