恋はポーカーゲーム Ⅲ 五億ドルの愛人
」のレビュー

恋はポーカーゲーム Ⅲ 五億ドルの愛人

ミランダ・リー/JET

同意無き行為の悲劇を一人背負って

ネタバレ
2020年5月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ こちら一般ピープルから見る、所謂その業界って、そういうイメージ。食い物にするヤツがいそうな。
何も知らず15、6で、騙されて眠らされて気づいたら性的暴行されていたのだから、心にもかなりの重傷は負ったろうし、そして、その他結果が生じても海外は直ぐ中絶とはしないケースも多いと聞く。怒り心頭。
男性とは出来なくなることはよく聞く話。

まして、成長を見てからのその辛い別離までも経験しては、もう後は自分を切り刻むように生きてきただけなのだろう。

私はオークションものにどうしても欧米的な奴隷売買の歴史を連想、そこまで楽しく読めない。
こうしたストーリーでは、オークションをチャリティーのみにするのは、その辺の背徳感緩和の意図があるだろうが、その余計な衣がかえって、一晩のディナーが、一週間の愛人に変更容易になりかねないわけで、どこか笑えない企画。

ただ、ヒロインが腹を括ってアリへ同行することで、悲しい思い出から飛び出せたのだから、ひとつの物語としては少し結果良し、ではある。それにしても、五億ドルは、別のやり方で寄付出来ないのだろうか。欧米は税制の関係で、富裕層はその寄付行為の先について頓着せずただの税金対策としても、ばらまくと聞くが。

アリの心境を測る場面が少なすぎた。アリ周辺の、人物とはいえ皆第三者からの情報だ。

ヒロインがアリとベッドを過ごしてもいいと思えるようになるまで、アリは随分待たされたが、お金で買った買われたの時期を過ぎての決着感は、逆に良かったと思う。
ヒロインも受け入れる準備ができたし、アリが気持ちをいろいろから切り離してヒロインについて考える時間も出来たから。

アリの顔が、少し安定感がなかったように思う。
また、亡くなった子どもの雰囲気が三、四才に見える。

シリーズの他のキャラが出て来て、その分本編の内容が食われた。
シリーズの他のキャラも勢揃いなのに、本作は余りポーカーゲームなどがストーリーに絡んでこなかった。

モデルが、激ヤセモデルの体格でなかったのはとても良いと思う。
シリーズの他作品のキャラより彼の個性は見にくい。

スピンオフ「憂いのシーク」から読んだ。
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