乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 絶体絶命!破滅寸前編
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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 絶体絶命!破滅寸前編

nishi/山口悟/ひだかなみ

原作をなぞっているだけで味気ない

2020年5月25日
ストーリーは原作の方が考えているのでしょうか?
原作と同じくだりを再度見せられているようで、コレ読む意味あるの?とモヤモヤしました。

原作が大人気のはめふらは幼少期からのカタリナの奮闘が面白い作品なので、じゃあ大人になってから記憶を取り戻してたらどうなってたの?っていう着眼点は良いと思います。題材だけ聞くと面白そうです。
でもいざ読んでみると、本編をなぞっているだけだったのが残念でなりません。

破滅の1年前からスタートっていう、圧倒的劣勢の中からどうやって破滅を回避するのか?っていうのが1番この物語を面白くするポイントだと思うのですが
あれ?思ってたほど状況悪くないの?と拍子抜けさせられたことが1番つまらなかったです。
今まで傍若無人に振舞ってきたはずのカタリナが、急に性格変わっただけで皆さんすぐに好意的になります。チョロすぎ。
これまでのカタリナを見てきたはずの周りは、カタリナを毛嫌いしていてもおかしくないのに。
「思ってた性格と違ったんですね!」と、すぐに仲良くなれちゃいます。つまらなさすぎる。

言うなれば原作そのものすら侮辱しているように感じました。
だって、破滅の1年前に記憶を取り戻していた場合でも、結局展開は変わらないとこの作品は言ってるのですよ。
つまり幼少期からのカタリナの苦労は全て無意味…。なんだったのか。

子供の頃カタリナに惚れたからこそ大人になってもジオルドは婚約破棄してくれないと思っていたものが、今作では結局原作カタリナの言う通り、カタリナを防波堤代わりにしようと婚約破棄してくれないジオルド。ちょっと信じられません。
アランも、大人になってから今更、カタリナとヘビのおもちゃの話をするという原作と全く同じシチュエーションであっさり落ちていますし…。
時期的にすでにメアリとマリアの間で揺れ動いていてカタリナの付け入る隙なんてないと思うんだけど…。

彼らの恋さえ始まっていなければ、カタリナはいくらでも横から奪いたい放題ってことですかね。
でもジオルドとマリアの出会いイベントは終わってるはずだから、ジオルドはマリアに興味持ってないとおかしいのに、それを通り越して早々にカタリナに興味が移っているのはやっぱり納得できません。

やるならもっと本格的に、状況を活かした作品を作って欲しかったです。
塩対応の彼らを振り向かせるような作品が読みたかった。
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