太陽が見ている(かもしれないから)
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太陽が見ている(かもしれないから)

いくえみ綾

良かった

ネタバレ
2020年5月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 破滅を予感させる始まり方と、少しずつ暖かな方へ行く日常と、また立ち込める暗雲、という感じで淡々と過ぎる中に少しずつ事件が絡められて、決して爽快な漫画ではないんですが…それぞれがそれそれに問題を抱えている、そのせいでこうなる、っていう因果関係が丁寧に描かれていて、ハラハラしながらも楽しく読めました。個人的にヒロインの岬が好きだけど、ライバルの日帆も可愛かった。そして飯島兄弟が最高にカッコイイ。楡は…父親や周囲からの恨みや何やらのせいとはいえ、最初から岬を受け入れておけば皆あんなに苦しまずに済んだだろうにと思うし、でもあんな育ち方でよくまあこんなに優しい男に育ったな…とも思うし。4年の歳月が必要だったと言われればそうかもしれないし。色々思うところはありますが、ラストは「あの家で暮らす楡と岬と猫、薬指にリング、暖かな陽だまり」です。日帆は飯島兄を追って南国に行きました。幸せな結末じゃなきゃ読みたくないという人のために。ぜひ最後まで読んで欲しい。
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