私の正しいお兄ちゃん
」のレビュー

私の正しいお兄ちゃん

モリエサトシ

面白かった、お勧め❗️

ネタバレ
2020年6月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何故か「白夜行」を思い出しながら読んでました。
あれよりは幸せになれたのでよかったのですが、やはり全体に薄幸感溢れるというか。
物語はオリジナルで面白く、ミステリとしても恋愛としても読み応えあります!そういう意味で、いろんな人に面白かったよ、と勧めたい作品。
正しい家族の形、というのは本当はないのかもしれません。「家族の正しさ」という世界中を席巻している幻想が、DVやneglectを生み、家族は神聖であるがゆえに民事不介入として他人は手を出せない現実がある。でも多くのケースで、この標準的な価値観で生きていけてしまうから、マイノリティになった時の困難は計り知れません。
正しさ=立花巡査がずっと求めてきた警察の価値観、幸せ=理世や海里が拠り所とした価値観。
どちらが絶対正しいとも言えず、考えてしまいます。
それでも、2人が怯えずに暮らせるようになって良かった、と心から思います。
ただなあ、子供欲しくなったらどうするんだろう?
そこまでは望めない、と思ってるなら、それはそれで不憫な。。
絵は、時々怖かったですが(笑)、この物語にはあっていたと思います。
世間的な基準とは少し違ってもいいから、理世と海里に幸せなままに暮らしてほしいです。
いいねしたユーザ11人
レビューをシェアしよう!