このレビューはネタバレを含みます▼
控えめに言って最高でした。TL小説というよりは、海外のファンタジー小説を読んでいるような気分です。主人公の2人だけではなく、周りの脇役も深く掘り下げられていて、人物も情景もとてもリアルに感じられました。ソヴェリの民の考え方だったり文化?がとても素敵だなと思いました。特に「あなたの頭上に良い星が輝きますように」という祈りの言葉がとてもきれいです。本当の悪人は1人もいないのに、ボタンの掛け違えのせいで、誰かにとっての憎むべき悪人が生まれます。真実が分かっても長年苦しんだ痛みは消えません。勘違いだったからと言って許せるものではなく、むしろやるせない気持ちでいっぱいになります。それでも前に進まなければならない、そしてどのように過去と向き合い決別するか?それを考えされてくれる作品でした。