まことしやかに舞う花は
」のレビュー

まことしやかに舞う花は

束原さき

若き建築家×舞踏家、戦時下での再会もの

ネタバレ
2020年6月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 戦時下の昭和初期、建築家の御曹司・颯太朗×名女形の舞踏家・春臣。子供の頃にすれ違ってしまい、音信不通のまま9年振りに再会。ただでさえ思うように生きるのは難しかった時代に、家のこともあり、自分の気持ちに気付いていてもなかなか口にはできないもどかしさ。踊る春臣が女形じゃなくても繊細で美しいです。それぞれの暮らしを変わらず続けていた彼らの状況が戦争の激化により少しづつ変わっていくのが切ない。また離れ離れになってしまった二人の再会はもう少し抑揚というか盛り上がりが欲しかったけど、自分で選んで相手の手を取った二人に感動。槙兄さんや虎司も無事でよかった。描き下ろしのちょっぴり不思議な後日談にほっこり。星4.5。
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