クッキングパパ
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クッキングパパ

うえやまとち

博多ー

ネタバレ
2020年6月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品は、連載から、2年くらいしたころから、モーニングの存在を知り、読んできました。

こどもたちの成長が、驚異の「ゆるゆるスピード」ではありますが、まだ小学生だった長男が、大学を卒業し、転職も経験し… と、時の流れを感じます。その中で、つねに、モーニングを代表する作品として、巻末にデンと座るさまは、いつも安心感があります。

ただ、一時、福岡に住んでみて、わかったことなのですが…

毎回、どこかの街中の風景が、ひとコマ目に描写され

「博多ー」

と、書かれていますが、

博多とは、現在では、福岡県福岡市博多区という、行政単位のひとつであり、たとえば、天神(博多区ではなく、中央区。九州最大、西日本屈指の大都会)を「ここは博多」と認識する地元の人は、まず、いません。

それでも、明らかに、天神のデパートを出して「博多ー」としていたり、

福岡ドームのそばの海辺(シーサイドももち:早良区)を出して、同じく…

さらには、どこなのかわからない、単に?道路を自動車がゆきかうさまを描いて
「博多ー」としていることもあります。

さすがに、筑豊や、北九州の景観が、「博多ー」として出ることは、ありませんが。

たとえるなら、原宿の竹下通りを「新宿ー」と紹介したり、湘南でたとえると… これは、ちょっと難しいですね。まあ、ほかにたとえるなら、石狩市の駅前を描いて「札幌ー」としたり、犬山城を描いて「名古屋ー」としているような、そんな感じです。

このことが、作品の質を下げたり、地元から「反発」のようなものを受けているわけではなく、また、福岡出身の有名人が、生まれも育ちも、福岡の別の地域の出身でありながら「博多出身!」などと自己紹介していることも、ままあり、べつに、めくじらをたてることではないのですが。

地元民としては、「さすがに、連載が40年近くにもなると、もう、描くところがないのだろう。」との声を、よく聞きます。

それなら、もう、誰も「今までのは何だったの?」なんて言いませんから、「福岡ー」との出だしにしたほうがいいのでは?と、長年のファンとしては、思う次第です。
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