夢王【合冊版】
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夢王【合冊版】

成田マナブ/倉科遼

安定の展開

ネタバレ
2020年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ この原作者の先生の、王道ともいえる、出世物語です。(批判ではないです。)

ほかの作品にくらべると、「サポート側」である、スカウト兼ボーイの、田舎育ち(高校時代の風景の描写等から、そう思われる)の少年が、実はスカウトとしての「天賦の才能」を持っていて、上層部からも気に入られ、どんどん、上にのぼっていくという、シンデレラ?ストーリーです。


ただ、これは、九州、特に、福岡の人であればこその、違和感なのですが…

天神・中州・博多と、地元では、完全に「分離独立」した繁華街が、すべて「博多」というおおきなくくりの中で存在しているように描かれ、かなりの「?」な感じがあるようです。

たとえるなら、ちょっと「規模」と「それぞれの距離」は違いますが、渋谷と、池袋と、歌舞伎町とが、「新宿」とよばれる、日本最大の繁華街のエリアのなかにあるような、そういう紹介の仕方といえば、よいでしょうか。

実際、博多って、いまは、どちらかといえばビジネス街、昼の街で、京都ほどではないですが「博多っ子」を名乗れる人は、福岡市博多区という行政単位の中で生まれ育った、かなり限定されたエリアの人々です。

それが、福岡市内にいるだけで、誰もが「博多の人」と自認しているような描写で、かなりの違和感があるようです。

そこらへん、取材とか、考証設定とか、ちゃんとしていたのかと。

まあ、作品としては、そこそこのおもしろさで、先生の作品をコンプリートしたいという人には、おすすめです。
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