王冠の護り人と名無しの衛兵【初回限定SS・電子限定SS付】【イラスト付】
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王冠の護り人と名無しの衛兵【初回限定SS・電子限定SS付】【イラスト付】

ヴィルヘルミナ/天路ゆうつづ

ヒロインが好きじゃない

ネタバレ
2020年7月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「王冠の護り人」の設定が盛り過ぎて上滑りしていませんか。結局男側からみて一番判り易い恩恵を受けていたのは前世の元カレだけで、王冠を手にしながら国を揺るがす祓い神の脅威を一身に受けた王の不運には、矛盾を感じました。当初は彼が幸運の頂点にいる欺瞞から自滅崩壊したと思っていたのですが、実はそうではなかった、というオチ。ならば脅威の一端が出現した初期の時点で王冠の幸運が退けるべきであり、設定の根底から崩れているような流れに、もやっとしました。更に献身的な深い愛情を捧げ続けてくれた王に、ヒロインは半年も自分本位の不幸に泣き暮らすばかりで、なかなか心開かなかったと。信頼関係ぐずぐずですね。でもヒロイン曰く裏切ったのは王だと。自分にも非があるって、まるで考えないのですね。結局、元の世界へ帰りたい気持ちもしつこく持ちながら、(この世界にいるしかないなら)サクヤを愛してる。みたいな打算的思考に、呆れるヒロインでした。知りたくなかった王SIDE。王が不憫で読後感がもやっと来た作品でした……。
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