転生大聖女、実力を隠して錬金術学科に入学する ~けもの使いの悪役令嬢、ゲームの知識でやらかし無双し溺愛される~
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転生大聖女、実力を隠して錬金術学科に入学する ~けもの使いの悪役令嬢、ゲームの知識でやらかし無双し溺愛される~

白石新/CHIHIRO

分かりづらいが最強主人公になる話らしい

2020年7月8日
はめふらに似てるとの意見が多いですが、キャラクター達の性格は全く異なるので、特定の作品に似ているというよりはよくある異世界転生の王道パターンだよね、っていう印象を受けました。
なので二番煎じ感は否めません。

二番煎じだからストーリーが記憶に残らないのか?と思いましたが、ストーリーそのものに脈絡のない部分が多いせいですね。
読み手の頭がついていけないというか、情報の整理が上手くできないせいで、私の中では面白いと思う前に読み終わってしまい、印象の残らない作品になりました。

まず根本の設定である、"男女兼用ファンタジー恋愛ゲーム"の中の世界に転生したということ。
そんなジャンルのゲームは現実で見たことがないので、当然作者が描こうとしている世界観が全くピンと来ないまま読み進めているわけで。
主人公が男性同士の友情ルートを目指すとか言って行っている行動が、どう見ても恋愛フラグ立てているようにしか見えなくて
一体主人公が何をしたいのかが理解できず、主人公に感情移入できないせいで物語に入り込めませんでした。

あとはもう、急に出てくる設定がとてつもなく多いですね。
1巻目なので当たり前っちゃ当たり前なのですが、物語の流れの中でもう少し自然と読者に向けて事前説明してほしいです。
急に目の前に本来のヒロインがいたり、火の玉が飛んできたり、主人公の姉が登場したり。
せっかく先を知っている世界に転生しているのだから、「これからこんな事が起きる」とか主人公の思考の描写とかあっても良いのにと思ってしまいます。

ちなみに火の玉は主人公がブリッジの体制で避けましたが、避けたせいで後ろの建物に当たってたはずの描写は一切なかったり、「それどうなったの?」なんていう小さな疑問が残ったまま物語が進行している部分も多いです。

巻末に「プロローグ」というタイトルで番外編が掲載されていますが、急に未来のネタバレ載せるの?と戸惑いました。
これもなんていうか、全体的に演出というか、見せ方が下手ですよね…。
プロローグって言うんなら、巻頭に載せてしまえば良かったのに。
これからこんな未来が待ってますよ、と見せた上で幼少期から始まるっていうよくある演出にしちゃった方が、読者も混乱せず、逆に期待感が煽れてよかったと思います。

色々残念な部分も多いですが、続きがどうなっていくのかは気になるので楽しみにしてます。
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