「俺と部下の恋の先
」のレビュー

俺と部下の恋の先

ナナメグリ

「好き」が痛いぐらいに伝わってくる。

2020年7月25日
「切ない」「泣ける」と定評のあるこの三部作ですが……この作品で私が一番好きなのは、そういう切なくて泣ける展開の前に、二人の心の繋がりをしっかり見せてくれるところなんです。
この二作目のはじまりは、恋人になったとはいえ、まだちょっと噛み合ってないところから。そこから描かれるエピソードのひとつひとつが、もう……こんなことあったら、お互いますます好きになるよ~~!っていう積み重ねで。少しずつ高梨に心を開いていく徳永。そんな徳永が可愛くてしかたない高梨。お互いの好きな気持ちがスパイラルになって、絆が強くなっていく過程がすごくいいです。
それから、徳永の過去も描かれます。ゲイとしての辛い経験があるだけでなく、もっと幼い頃のトラウマも重なっていて、彼の臆病さと罪悪感は根が深い。それだけに、すべてを受け止めてくれる高梨がどれだけ大切な存在か、切実に伝わりました。真夜中に二人が抱き合うシーンは、切なくて愛しくて、何とも美しい……。
そして、好きな気持ちが強いからこそ、すれ違ってしまうという試練! 好きな人が傷つくことに耐えられない徳永と、好きだから傷ついてでも一緒にいたい高梨……どちらの気持ちも痛いぐらいに伝わって、胸がぎゅっとなりました。
高梨、よく頑張った! でも彼がこんな男前になったのは、徳永に恋をしたからこそ。ずっと一緒にいて欲しい二人です。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!