このレビューはネタバレを含みます▼
どんなもんかな、と軽い気持ちでとりあえず3巻まで購入。そこからハマリ続け最新刊(10巻)まで大人買い。寝る間を惜しんで一気読みしました。これは面白い!
1巻は正直そこまでじゃなかったです。いくら前世の記憶があるとは言え、幼女どころか乳児があれこれ手を出し過ぎるのが荒唐無稽に思えましたし、主人公の性格にもイライラする部分が多くありました。頭がいいはずなのに親の愛を得るために必死に努力を重ねる様は滑稽でちっとも聡明じゃない。利用されるだけ、搾取されるだけで、記憶を持っているにも関わらず、尽くしても無駄な相手だと見切りをつける事も出来ない主人公には本当に憐れを通り越して呆れました。
でも読んでいるうちにそんな彼女にどんどん変化が起こります。成長していくんです。ここが面白いと思えました。優秀だった前世の記憶を元にアレコレ作り出すチート的能力は馴染みのものですが、本人は決して完璧じゃない。時には間違えるし、利用されるし、ままならない現実に途方に暮れながらも次々と試練を乗り越えていく。主人公の希薄だった人間関係はどんどん色濃くなり強い絆が結ばれていく様は読みごたえがありました。そしてどんな状況であっても強かにその環境に適応していく彼女は、完璧ではないけれど不思議な魅力があります。全巻通して笑えるシーンも多々あり、非常に楽しく読めました。
好きなキャラはアランです。不憫で可愛くてカッコいいのに残念な彼がとても好きです。
続きを楽しみにしています。