鬼滅の刃
」のレビュー

鬼滅の刃

吾峠呼世晴

「哀しみ」を描いた稀有な漫画

2020年8月14日
主人公炭治郎は、死闘の末倒した敵である鬼の最後を看取っています。憎らしい非道な相手の最後を「哀しむ」ことで前へ進みます。これはあの鳥山明や尾田栄一郎でもなし得なかった描写で、ジャンプでこんな凄い漫画が出てくるとは思いもしませんでした。作者である吾峠呼世晴(凄く若さ溢れるPN)先生が凄いのはもちろんだが、この連載を通した編集者と許可した編集長も凄い偉い。努力、友情、勝利とは常に前進、拡大し、立ち止まる事や感傷許されない、乗り越えた(倒した)相手はその時点で無価値となります。しかし炭治郎は悼んで哀しんでいる、この時点で倒した敵では無くこの世に生を受けた誰かと意味付けている、これは連載をしていたジャンプの否定です。だからこの漫画は凄いと思う。
いいねしたユーザ12人
レビューをシェアしよう!