私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください。
」のレビュー

私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください。

アーエル/八美☆わん

面白いのに2巻が出ません😔続きが読みたい

ネタバレ
2020年8月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミカライズやラノベで多い、「召喚されました。聖女になります」や「聖女にはなりたくないけど召喚した責任を取って面倒見てね」などという話ではありません。
「いらないと言ったんだからでていく」というもの。
引き止められても出ていく強い精神と、慌てて探す人たちを上手くかわしてある程度自立していく姿に惚れ惚れします。
仕入れが止まった食堂兼宿屋に「巡り巡って私のお腹に入ってくる」と言って食材を提供する。
子供が間違って大量に注文したじゃがいもで料理を作って食堂を救済したり。
王都の危機の中、食堂の人たちを助けるため自らダンジョンに向かっていく。
だからでしょうか?
周りは主人公を放っておけません。
差別を受けて生きてきた女性隊長を差別なく接することで酷く好かれます。
「初めて見た時、どう思った?」
「ふくよかな人だなー」
人と見た目が違うことで差別を受けていた自分をそう表現する人なら、きっと私でも好きになると思う。
話の端々で家族をみんな失ったと分かるシーンがあるため、主人公も家族の愛情に飢えていたのでしょう。
さらにそんな反応を示す主人公を「ほーら。面白い」と言って友だちになろうとするエルフ。

料理をしたり、女性たちのキャイキャイが楽しい話です。
中には勉強になることもあります。
言い方を変えると柔らかい言葉になったり、言葉遊びに似た文章が出てきたり。
何度読み直しても新しい発見があります。
最近ではコカトリスの卵の一件で、一部ウソになるところだったのが、言葉を入れ替えることでウソにならないなど。
言葉ひとつでこうも変わるのかと。
それだけで、自分の狭かった考えの枠が大きく広がりました。

投稿サイトではまだ続いているので早く読みたいです。
こんなに惹かれる作品に出会えたので星5つですが、2巻が出ないのでマイナス1。
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