烏に単は似合わない
」のレビュー

烏に単は似合わない

阿部智里/松崎夏未

ラストが要注意

ネタバレ
2020年8月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 世間知らずで天然お姫様「あせび」が、陛下のお世継ぎである若宮の正室の座をかけて、三人の姫君との争いの場にいきなり放り出されるオープニング。ゆるふわ女子高生みたいなあせびに読者は感情移入し、他の正室候補のサバサバ姫・高飛車姫・ヤンデレ姫と火花を散らして最終的には正室の座を勝ち取るんだろうな!と期待させておいて……、終盤になってまさかの、大どんでん返し。驚きの展開に。主人公に感情移入するタイプの方は覚悟して読んだ方がいいです。そうでもない方は「上手いなぁ!」と驚くと思います。個人的には謎解きを、ラスト唐突に現れた若宮にさせなくても良かったんでは?と思いました。他の姫君へのぞんざいな求婚の後で本命には姑息に言い方を変えてるのがすみません、正直きもい。冷たい人間だからみたいなテイで進める割に中途半端に感情的だし、このラストの「かくしてかっこいい若宮さまが」「名推理で悪者をみごとやつつけて」「本物のお姫様とハピエンに」ていう図式が全く受け入れられなかった。本命にもふられれば面白かったんですが。ただ四人の姫君と恋人と、若宮の妹がすごくキャラが立っていて面白かったので、ストーリーとしては文句なしの星5です。
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